相続を弁護士に依頼した場合の費用
1 相続に関する弁護士費用の概要
相続が発生した場合に行わなければならないことは、とても多岐に渡ります。
また、相続人や受遺者などの間で争いがない場合とある場合とでも、行うべきことは大きく異なるため、状況に応じて必要な費用は変わってきます。
一般的には、争いがない場合に相続手続き等を弁護士に依頼した場合の費用は、相続財産全体の評価額の1~2%程度になると考えられます。
争いがある場合には、取得することができた財産の評価額(「獲得した経済的利益」と表現されることもあります)の数%~十数%の費用がかかると考えられます。
以下、それぞれについて詳しく説明します。
2 相続に関する争いがない場合の費用について
遺産の分け方等について争いがない場合、弁護士は、相続人調査、相続財産調査・財産目録作成、遺産分割協議書作成または遺言の検認、遺産分割協議書または遺言の内容に従った相続手続きを行うのが一般的です。
これらの業務は、「遺産整理業務」と呼ばれることもあります。
遺産整理業務は、一般的には、相続財産全体の評価額の1~2%程度の弁護士費用がかかります。
名義変更をする預貯金や有価証券の口座が大量にある場合や、複数の賃貸不動産がある場合などには、別途手数料が加算されることもあります。
3 相続に関する争いがある場合の費用について
相続に関して争いがある場合の例としては、遺産分割協議がまとまらない場合と、遺言などによる遺留分侵害がある場合が挙げられます。
遺産分割協議がまとまらない場合には、弁護士が代理人となって、別の相続人との話し合いを続けたり、家庭裁判所で調停や審判を行ったりします。
遺産分割協議を弁護士に依頼した場合、遺産分割の結果得られるであろう利益の数%の着手金と、遺産分割の結果得られた利益の数%~十数%の報酬金がかかります。
調停や審判を申立てる場合には、別途30~50万円程度の着手金が必要となることもあります。
遺言などによって遺留分が侵害されている場合には、弁護士が代理人となって遺留分侵害をしている者に対して、遺留分侵害額請求を行います。
遺留分侵害請求を弁護士に依頼した場合にも、請求の結果得られるであろう利益の数%の着手金と、請求の結果得られた利益の数%~十数%の報酬金がかかります。
調停や訴訟を提起する場合、別途30~50万円程度の着手金が必要となることもあります。